借地権・底地

借地権・底地の売却

借地上の建物を売る側と、底地を売る地主の側。どちらも契約内容と地主・借地人の関係で選べる方法が決まります。根拠となる条文と、先に見る契約条項を整理します。

このページの要点

借地上の建物を売ると、多くの場合は土地の賃借権も一緒に移ります。賃借権の譲渡には地主(借地権設定者)の承諾が必要で、承諾が得られない場合は裁判所に承諾に代わる許可を求める手続があります(借地借家法19条)。

用語の整理

用語意味
借地権建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権(借地借家法2条)
底地借地権が設定されている土地の所有権。地主側の財産
借地権設定者借地権を設定している地主

借地権の存続期間は30年が原則で、契約でこれより長い期間を定めればその期間になります(借地借家法3条)。平成4年(1992年)8月1日の借地借家法施行より前に設定された借地権には、更新などについて旧借地法の規定が適用される部分があるため、契約時期の確認が欠かせません。

借地権(建物)を売る場合

地主の承諾

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲り渡すことができず、無断で第三者に使用させた場合、賃貸人は契約を解除できます(民法612条)。借地権が土地賃借権であれば、建物の売却に先立って地主の承諾を得るのが基本です。

承諾が得られないとき

第三者が賃借権を取得しても地主に不利となるおそれがないのに地主が承諾しない場合、借地権者の申立てにより、裁判所は承諾に代わる許可を与えることができます(借地借家法19条1項)。裁判所は、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更したり、許可を財産上の給付にかからせたりすることができます。

建物登記の名義

借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記された建物を所有していれば第三者に対抗できます(借地借家法10条1項)。相続後に建物の名義変更をしていない場合は、売却前に相続登記を済ませる必要があるかを司法書士に確認します。

底地を売る場合

底地は、借地人が建物を所有して利用しているため、地主が自由に使える土地ではありません。買い手として考えられるのは、借地人本人、底地をまとめて取得する事業者、一般の投資家などです。地代の水準、契約期間、更新の経緯によって評価が変わるため、査定では次の資料を示します。

借地人と地主の選択肢

方法内容確認する点
地主に借地権を売る地主が建物と借地権を買い取り、完全な所有権に戻す価格の根拠、建物を残すか解体するか
承諾を得て第三者に売る地主の承諾書を得て建物と借地権を売却承諾料の有無と額、新しい借地条件
借地人が底地を買う借地人が地主から底地を取得資金、登記費用
借地権と底地を同時に売る地主と借地人が協力して一体で売却売却代金の分け方を事前に書面で合意
裁判所の許可を求める借地借家法19条の申立て弁護士への相談、時間と費用

契約書で先に見る条項

2案の手取りを計算する契約と決済の確認へ
出典・参照した一次情報(確認日:2026年10月11日)

借地契約の内容や旧借地法の適用範囲は契約ごとに異なります。地主との交渉や借地非訟の申立ては、弁護士など専門家に相談してください。